※essay

 以前、弾丸で東京に行った。目的は一つだけしか持っておらず、その予定が終わってしまえば手持ち無沙汰になる想像は容易だった。目的は一つだったけど、満喫できたと思う。日帰りの予定だったのに、四泊するほどには楽しんだ。自分でもびっくり。一人旅ではあったけど、現地の人達のおかげで楽しい日々を過ごせた話。

 出発前日の三時に友人とご飯を食べていたので、寝覚めはあまり良くなかった。その後輩も忙しく、あまり会える機会がないので是が非でもご一緒したかったので後悔はない。近況や、これからのことを互い話すのはとても有意義な時間だった。

 そんな眠気眼で朝の電車に乗り込む。新幹線に乗っている間に、関東に住んでいる友人達に連絡を送っておく。当日に連絡するなんて、やれはた迷惑かもしれないが、お構いなし。

 お昼すぎに都心に到着。慣れない山手線。回る方向に気をつけ、乗る。目的の時間にギリギリだったので間違えたら終わり。しっかりと◯◯方面を二度見して確認。携帯の時刻表と電子掲示板を交互に上下する。時間に余裕があればどっちに乗ってもどうせ着くけど、今回はそんな余裕なし。

 思ってたより時間に余裕はありで到着。この目的については別記事で書いているので割愛。

 目的が終わった昼下がり。することがなくなった自分は「そうだ新宿御苑に行こう」とふと思う。新宿に来る度にそれを思ってるのにいつもなぜか行かずに終わるので、今回こそはと奮起し、新宿駅へ向かう。この時、時刻は3時27分。勘の良い人なら分かると思うけど、新宿御苑の入園時間は4時。これまた非常にギリギリ。さて間に合うのだろうか。

 なぜ行きたいと感じたのかは、何を隠そう数年前に見た「言の葉の庭」の影響。

 新宿駅に着いて、足の方向を御苑に向ける。その時、新幹線で蒔いておいた種が芽を出して、友人から返信が来る。ちょうど友人達も新宿でご飯を食べていたようなので、ダンジョン新宿駅で合流。

 新宿御苑に行きたいと伝えると、彼らも「ちょうど行こうと思ってた」らしく、奇しくも目的地が同じだった。グーグル検索を一旦挟み、ここで入園時間が4時だと知る。駅で落ち合うまでに時間が経ってしまったので、現在の時刻は3時48分。場所は新宿駅。さてさて、間に合うのだろうか。

 昔ながら馬鹿話でもしながら、歩いて向かう。話は尽きない。自分は特別話が得意なほうではないけど、特定の友人といるときはやたらと頭が回る。スラスラ言葉が出て、会話のテンポが崩れずに話していられる。ここで話しているのも、その特定の友人の中の1人。

 コミュニケーションが得意じゃない人はわかると思うけど、話せる人の前では、「本当は自分って会話が上手なんじゃないか?」と錯覚したりする。これ、ただ単に相手がすごいだけだったりする。

 談笑しながら着いた新宿御苑入り口。

 あらら、警備員が扉を締める動作をしているのが見える。時刻ははてさて、4時3分。たった3分、されど3分。どうやら例外はないらしく、入り口は目の前にあるのに入れない無残な結果に終わった。ここで駄々をこねて、無理やり入れてもらいたいなと思ったけど、海南戦の魚住のように「テクニカルファウル→退場」をとられそうなので止めておいた。

 路頭に迷った僕たちは、そこから明治神宮に向かうことにする。新宿御苑から歩いて迎える位置にあるのも大きなポイント。初詣の参拝者日本一なので、こちらも人が多いかなと思いきや、新宿御苑(入り口)よりは少なく快適に回ることが出来た。伊勢神宮に近い空気を感じた。人は沢山いるものの、澄んだ気持ちのいい空気だった。

 別の用事が出来たので、彼らとは原宿駅あたりでバイバイ。急に遊んでくれてどうもありがとう。

 そこからちょっと遠いところの友人にあったり、留学中に知り合った友人の家に泊めてもらったり、当初の目的より遥かに多くの人に会えた。ここから先の数日の事も書くと長くなってしまう。日記のようなものなのでこの辺で。

 一つの目的のために何かした結果、色々な要因が重なって想像していたより充実したものになった。知識が増えて、知り合いが増えて、自分の行動範囲が伸びると何かする度新しい発見があるのが本当に楽しい。留学をしたから関東の友人も出来た、映画から新宿御苑に行きたくなった、一緒に働いた友人の転勤先が関東だった。そんな風に生きてる内の何かが繋がるのは本当に面白くて有難い。

 頭で分かってても、それを体感できるのは幸せだなと。そんなことを思った弾丸東京でした。

それではまた。