【ポップとプログレの革命児】景色を映し、色を塗る音楽【JYOCHO】




 JYOCHO。だいじろー(ex宇宙コンビニ)が手がけたソロプロジェクト。

 だいじろーさんの作る音楽は、溢れんばかりの景色がある。JYOCHOの名を冠するだけの「情緒」がある。

 彼の作る曲は、絵の具みたい。濃く景色や心象に色を付ける。

 あえて探そうとしたけど、嫌いな点が何一つ見当たらない。これから彼らを絶賛する。

 絶賛されるものに、拒否反応を起こす人もいると思う。自分もそう、アマゾンは星一つのほうから見るタイプ。けれど、JYOCHOは星5つ。端的に言えば最高のバンド。

「まだ商品は届いてないけど、期待を込めて星5つです!」ではなく、「しっかりと聴いて、その上でこれからの期待も込めて星5つ」です。

 2つのミニアルバム、1stEPを出して、どんどんバンドが一体化していく現在のJYOCHOは特に文句の付けようがない。

JYOCHOの魅力

楽曲の美しさと景色を見せる音楽

 とにもかくにも、曲が美しい。

 JYOCHOの楽曲は、絵の具みたいな存在。白紙のキャンパスがあれば、絵を描ける。なにもない所に景色を生み出せる。

 それに加え、既存のものに色を情景に色を塗ることも出来る。今見えてる景色に、さらに淡く色を付けることが出来る。

 例えば、JYOCHOの音楽を聴きながら電車に乗ると、車窓から見える景色は変わる。見慣れた景色が知らない風景にもなれば、さらによく知っている視界にもなる。日常に溶け込みつつ、見えるものを濃くも淡くもする。

 彼の作る音楽は喜怒哀楽を揺さぶる音楽をしている。人の暖かさ、冷たさ、景色、憧憬、思い出が音になって染み込んでくる。

 音楽はそもそもそういうものかもしれないけど、だいじろー氏の作る曲は景色と思い出に富んでいる。彼の振る筆の先は、それはそれは濃い。
 
 歌詞もまた素晴らしい。音、歌詞、メロディがぴったりと合っている。

だいじろーの超絶ギター

 JYOCHOの核であり、彼なしにしてこのバンドなし。全ての発端。

 だいじろーさん。最高にギターが変態。手数の多さが尋常じゃない。毎回ツイッター新しいリフ(ギターのフレーズ)を、突拍子もない言葉と共にあげる。

 音の数がかなり多い。そしてこのスピード。早い。これは完全に卍解してる。天鎖斬月。

「お箸使わずに、ワニでおかず挟んで食べる達人」。

 主語も述語もまるで地球外。言えばいいってもんじゃない。けど、聴いてしまう。彼のこのプロモーション力がすごい。これが前述の最新PV「pure circle」に昇華する。

 Instagramでもリフはあげていて、そちらTwitterと打って変わり、わりと大人しい言葉遣いで、住み分けをしている… わけもなく、どっちも狂ってる。(褒め言葉)

若きギターヒーロー。虜です。動画の最後は大抵変顔。

 彼ソロギターもめちゃくちゃ上手くて、アコギ一本でもだいじろーワールドは展開できます。(数は少ないけど、たまにソロライブしてます)

 ここまで存在感のあるギターだいじろー。JJYOCHOの魅力の一つに、だいじろーのこの存在感をもってしても、彼のワンマンバンドでないところにある。ライブを見てからさらにそう思った。

こんなにプログレでマスロックなのに最高に「ポップ」

 マスロックは基本的にわかりにくいジャンル。変拍子が多く、展開も好き放題。人にオススメするのが難しい。自分で見つけて勝手に好きになるタイプの音楽。

 JYOCHOはプログレ、ポストロック、マスロックでありながら、とんでもなくポップ。

 耳に馴染みやすい。何も気を張る必要なくスゥっと入ってくる。ありきたりなものじゃないのに、ポップなメロディラインを持っている。

 ポストロックなど、この手のジャンルは聴くことに満足してしまうことが多いのだけど、だいじろー作品は口ずさみたくなる。つい歌いたくなるメロディラインがあるのが彼の音楽の大きな特徴。

 玄人向け(?)なジャンルでありながら、誰にでも聴いてほしいと思える音楽が彼の凄い所。万人に広がってほしい。みんなJYOCHOを聴いてくれ。

猫田ねたこさんの絶妙なボーカル


猫田ねたこさんのTwitter

2ndミニアルバム「碧い家で僕ら暮らす」よりボーカルとして参加している、猫田ねたこさん。(from:heliotrope)

 毎回名前が噛みそうになる。

 1stミニアルバム「祈りでは届かない距離」ではボーカルはrionosさんが参加して、それも雰囲気に合っていてとても良かった。

 2ndミニアルバム以降にリリースされるものの作風や、今のライブ体制には、猫田ねたこさんがよくマッチしている。key.voなのも大きい。キーボードでSEも作れるのでライブでも活躍。

 この猫田さんの持つ佇まいと雰囲気が素晴らしい。猫田ねたこさんの突き抜けすぎないボーカルが、JYOCHOのそこはかとない感情的な部分を際立たせている。猫田さんの歌は魅力がある。

 有象無象の言葉を当てしまうと、猫田さんのボーカルはとてもエモい。

「祈りでは届かない距離」のrionosさんのボーカルもとても美しかったです。アニメ「クジラの子らは砂上に歌う」のED(JYOCHOとは別)などもとても良いものでした。rionosさんは暖かい声をしているなと思います。

 個人的な感覚ですが、猫田さんは寒色が強い声をしていて、いい意味で1stと2ndに対比が為されているなと感じます。作風自体も対比があるようで、「祈りでは届かない距離」は熱帯の暖色を、「碧い家で僕ら暮らす」では北極のような色味を感じました。共通しているのは、どちらも肌感がある音楽であること。うん、JYOCHO。

「フルート」の存在が情緒を強く

 JYOCHOにはバンドとして珍しく、フルートがいる。フルートは作音楽器で、技量がないと音が出ない。ギターやキーボードなどは弾けば音は鳴るけど、フルートは「吹けば鳴る」ことはない。しっかりと理解してないと音を鳴らせない。

 サックスなどもそうで、吹奏楽・オーケストラの楽器の殆どは、そもそも音を鳴らすことすら難しい。人の息(声)と技術がないと成り立たない。音を出すのがまずスタートライン。

 そんなフルートがいて、メロディを奏でたり、コーラスを鳴らしたりと、後ろでスッと佇んでいるのがこれまた暖かさがある。技量のいる楽器の「声」があることがより、景色や肌感を強くする要因になっている。このバンドのフルートは、言わば第二のボーカル。

 フルートが楽器隊にいることは、JYOCHOの作る音楽をライブで再現するのに必要不可欠で、かなり重要な位置取りをしてる。物珍しいから入ってるわけでなく、必要だからいる。

 氏は「なんとなく試しにフルートの音を使った」と答えていたけど、フルートの仕事っぷりがすごい。

 バンドにギター・ベースドラムキーボード以外の楽器が入っているバンドを見るけど、その多くは物珍しさが先走ってしまって、バンドとして馴染んでいないことがある。

 しかし、JYOCHOのフルートは、明らかに奇をてらった選出でなく、馴染んでる。必要な場面でフルートが鳴っている。ここぞの場面で心地よく鳴る。

 フルートに限らず、全ての楽器が鳴るタイミングが最高に良い。このバランスは、作品がリリースされるごとにどんどん良くなっていってる。どんどん噛み合いがよくなってる。

 ドラムのhatchさんは無茶苦茶上手いのなんので、シンディさんはいい表情で良いベース突っ込んでくるわで、メンバーが本当に良い。シンディさんのいるバンド「空きっ腹に酒」も好き。

 JYOCHOは、皆が皆、だいじろーの強烈な個性に負けず劣らずに音を鳴らし合ってる。互いにぶつけあってJYOCHOが成り立ってる。

めちゃくちゃ笑ってるのがフルートのハチさんで、風強いなって思いながら笑ってるのがシンディさんで、めちゃくちゃ笑ってるのがドラムhatchさんで、はにかんで笑ってるのが猫田ねたこさんで、めちゃくちゃ笑ってるのがだいじろーさんです。



結びに

 景色を見せ、温度を感じる音楽、それがJYOCHO。宇宙コンビニの名前もそうだったけど、バンド名をしっかりと体現していて、いつ聴いても本当に様々な色をくれる。


このMVなぜか涙が出た。

 宇宙コンビニ解散のショックから、JYOCHOの活動。1stミニアルバム「祈りでは届かない距離」がリリースされたとき、「ライブする気ないんじゃないか」と思うくらい音数と変拍子をぶち込んでいたけど、今の体制でのライブを何度か見て、JYOCHOの音楽はライブでも輝くと証明してくれた。1stの音楽を、猫田さんボーカルで披露してくれるのは、いつもドキドキする。ライブでしか聴けないから。

 音源を聴いて、興味が湧いた方は是非ライブに足を運んでください。ライブでの彼らは素晴らしいと保証します。だいじろーくんのソロプロジェクトという名目ですが、メンバーもよく仲良しの、最高の「バンド」であると保証します。

これから東名阪でワンマンライブが行われます。是非生で彼らを味わってください。目の前にいるのに目をつむってしまうくらい景色が広がります。

hitoto

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ではまた。

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