静かに背中を押してくるBUMPの楽曲達。

今回は”静”の曲として好きな曲を選び、一個人として曲の事や好きな点をつらつらと。

 アーティストの曲において、本当にただ静かな曲なんて存在せず、静かでも大きな熱があります。

 BUMP OF CHICKENもご多分に漏れず、そういったアーティスト。その前提のもと選定。”静”の曲という定義は読者各々に任せます。一応この記事では、静の中でも”背中を押してくれる・前に進む”とあるようでないような定義をして選びました。

AppleMusicで試聴できます。聴きながらページが読めますので是非。

(please) forgive


7thアルバム【RAY】の13曲目。

心を食うようなイントロ。

 空間系の音がほんわりと流れ、イントロの潜るようなストロークから始まるこの曲。この潜る感じがとても良い。うるさすぎず、静かすぎず心地よい音楽が鳴る。アルバムの後半というのもあり、ヒーリング効果も強い。もちろん、単品で聴いても疲れを飛ばしてくれる曲。心がいい意味で飛んでいく。

マイナー調な声とメロディ

 昔に比べ、藤くんの歌い方は優しくなった。かの有名な「ライブはせんべえかじりながらみるもんじゃねえんだ 死ぬ気でチケットとれ」などと、尖りに尖りまくったナイフな藤くんは今やいない。(尖った事を言っているが、彼は昔から根は優しい) 

 近年のライブでは、ことあるごとに「ありがとう」と言う「聖人」のような人になった。

 この曲ではそんな優しい彼の中に憂いを孕んでいて、ラストサビの叫びやラララがとても切ない。

ネガティブな応援歌

 ネガティブニュアンス強めながら、前を向こうとする歌詞。僕はこの曲を応援歌だと思っている。ネガティブな応援歌。間違っても運動会などで流すような曲ではないけれど、前に進む力をしっかりと押してくれる曲。どこかに行く時に不安になっている人の背中をポンと押してくれるようなそんな曲。

自分で選んできたのに 選ばされたと思いたい 
一歩も動いちゃいないのに ここがどこかさえ怪しい

あなたを乗せた飛行機が 私の行けない場所まで
せめて空は泣かないで 優しく晴れますように

 応援歌。心がふわっと軽くなる。

ディアマン

22ndシングル、【グッドラック】のカップリング。

弾き語りでこの圧

 この曲は初っ端なら圧が凄まじい。「怖がりな少年どんどんギターを歪ませた」というフレーズの時点で、圧があり熱さあり。そして「弾き語り」であること。BUMP OF CHICKENとしてリリースしてるにも関わらず、他の楽器は出てこないという横暴さ。

「これBUMP OF CHICKEN名義で出す必要ある?」そんな感想すら抱かせる。カップリングで聴いた時の衝撃は計り知れなかった。似た理由で『Smile』も衝撃的な作品だった。

歌詞の少年とは?

 何度も歌詞に登場する「少年」とは誰かという疑問が浮かぶが、これはよく「藤くん自分自身なのでは?」 と言われている。後述するが、ダイヤモンドとこの曲はリンクしており、そう取るのであれば、彼の昔話のような歌にも取れる。

怖がりな少年 どんどんギターを歪ませた 他人は少しもわかってくれなかった 
5W のアンプがなるべく小さく絶叫した 締め切った窓 三日月が覗いてた

 正直、僕は少年が誰だろうと構わない。 聴く人が、藤くんであると思ったなら藤くん、自分であると思ったなら自分、あの人に似てると思ったあの人。歌詞の解釈に答えはない。

 なんにせよ、この少年のように「ギターを弾いて何かをしたかった、何者かになりたかった」という歌詞とメロディと歌がよく響く。

懐かしむ事はない 少年はずっと育ってない 昔話でもない 他人事でもない でもしょうがない 
何にだってなれない 何を着ようと中身自分自身 読み馴れたシナリオの その作者と同じ人

「常に誰かと一緒 似たような格好 無駄に声がでかい」「話題は繰り返し ジョークはテレビで見た」「語り合い励まし合いケンカする 仲間が大事」 そういうのを見下している腹の底

自分と重なる人も多いのでは。「見下している腹の底」と言ってしまう歌詞がとてもいい。
 静の曲として選ぶには、すこし難しいと感じたのがこの曲。どうしても好きなので選びました。

コード進行が「あの曲」と同じ

 BUMPファンならお気づきかもしれないけど、この曲ダイヤモンドにコード進行が似てる。サビは同じコードで対応出来る。半分あたりの間奏なんて、ほとんどまんまダイヤモンドのイントロ。聴いても分かるけど、実際に弾けば 「これは…」と感動するシロモノ。

感動と同時に、「ディアマンを弾いているのに、なぜか途中でダイヤモンドになってしまう」という状況が生まれたりした。

 ちなみに、ディアマン(diamant)はフランス語で「ダイヤモンド」という意味。藤くんは意図的にリンクさせているのだろうか。仮に歌詞の少年を藤くんとするなら、「おれはこんなふうになったぞ」というメッセージもあるのかも。答えは彼のみぞ知る。

beautiful glider

6thアルバム【COSMONAUT】の14曲目、アルバム最後の曲。

自分がまるで鳥になったような

 歌詞にも引っ張られていると思うのですが、この曲を聴いていると、「鳥になって街を俯瞰する」ような感覚になる。街を見下ろしていて、他人が生活していてるのをみているような感覚に陥る。

 色々な人が持っているものを傍からみて、何かを羨望を感じたり、仲良くしたいなと考えたり。隣の芝は青いという言葉が似合う感覚を持たせてくれる。

しっかりと進む

 歌詞の「人を引っ張る力」がよい。サビに顕著にあるのだけど、例えばこれ。

いつだってそうやって 頑張って考えて 探してきたんじゃないか
いっぱい 間違えて迷って でも全て選んでいくしかなかったグライダー 雨雲の中

 何か現実でぶつかった時に、「それでも進むしかないんだ」という思いを強くもらえる。

もう答え出てるんでしょう どんな異論もあなたには届かない
もう誰の言う事でも予想つくぐらい長い間 悩んだんだもんね 

 これは僕の持論だけど、基本的に悩み事を抱えてる人って、相談してもあんまり意味ないと思ってる。相談しても答えを曲げる人ってあまりいなくて、相談する時点で実は自分の中で答えが決まってたりする。後押しとか共感を求めている人が大半だったりする。

 この歌詞もそういった悩みを持つ人を歌っていて、とても共感を覚えた。自転車乗りながら「そうなんだよなぁ」と一人でうねったのはまだ記憶として鮮明。

アルバムの締めの曲

 三ッ星カルテットから始まり、この曲で終わる。これがもう最高で、アルバムの締めの曲として満足感が本当に高い。冒険や旅がひとつ終わったかのようなそういう感覚がある。(これはBUMPの他のアルバムにも言える)COSMONAUTというアルバムは一つの惑星を旅する感覚。それを最後、鳥として俯瞰して終わる。こんなに気持ちいいものない。



結びに

 これを書くにあたって、最初に3曲と決めてしまったので、不完全燃焼感が半端じゃない。

「静」の曲で、さらに「後押しする」「何かになる」点を付け加えて選ぶと、比較的新しい曲ばかりになってしまいました。(新しいと言っても「COSMONAUT」とかは8年前)

 選んだ曲達を見て、「おまえまじで10年以上聴いてんのか」と文句を言われるかもしれないけれど、ずっと聴いてます本当に。

 あまり多くてもダレてしまうのを防ぐためにこうしたのだけど、足りなかった。全然足りないんだまだ何にも知らないんだ多分。

 本当は外せない曲だらけで、そうすると「50曲近く選ぶ」といった、とんでもない事になりそうだったので断念。全部は意味ない。書けないし書いてもあまり意味がない。

 こうして制限を掛け選ぶから少しでも意味のあるものになればよいなと思います。制限がある程度あったほうが、何かと楽しかったりする。自由過ぎる自由は自由じゃないです。(please)forgiveでも歌われているように。

 BUMP OF CHICKENを好きな方々、もしくはこれがきっかけの未然の方々。楽しんでいただければ幸いです。

 それではまた。

「みんなのうた」でも不思議じゃないBUMPの曲選手権[8曲]

2018.08.11
hitoto

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